わが国の少子化を考える―Ⅳ

経済的豊かさの実感
自分は親世代に比べて経済的に豊かになったと考える人が、わずか13.6%にとどまっています。61.1%が豊かになっていないと答えています。バブル崩壊後に生まれた20代は、親世代より豊かだと考える人がわずか6.0%、豊かになっていないと考える人が63.5%に上っています。高度経済成長を経験した60代は、豊かになったと考える人が24.5%でした。

男女でも大きな差が出ています。20~40代の女性は、豊かになっていないと感じる人がいずれも7割を超え、特に40代女性は79.0%に達しています。教育費の高騰などで家計負担が増す中、子育て世代の女性は、仕事と育児の両立による負担の重さの割に豊かさを感じていません。
少子高齢化に伴う社会保障費の増大も負担感を高める一因です。所得や資産が多い高齢者の負担増はやむを得ないが、53.1%で最も多く、年代が上がるほど高くなっています。現役世代・勤労世代の負担増はやむを得ないは19.5%です。若年層の忌避感が強くみられます。経済成長による税収増は、60代が28.5%だったのに対し、30代は18.5%と、上の年代で成長を期待する人が多くなっています。

(2022年11月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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