わが国の画像診断

健康診断から精密検査まで、あらゆる場面で、画像診断が利用されています。経済協力開発機構(OECD)のまとめによれば、日本の人口100万人あたりのコンピューター断層撮影装置(CT)設置台数は約107、磁気共鳴画像装置(MRI)は約51で、いずれも他国を引き離して1位です。一方、危機の管理や診断を担う放射線科医は、人口100万人あたり50人以下であり、他国よりも少ないのが現状です。
CT画像などを読影する放射線診断専門医は、認定を受けるのに7年間の研修が必要です。現在5,500人以上おり、毎年150~200人ずつ増えてはいるものの、機器や検査数の増加に追いついていません。同じことは、がんの診断を確定するため病理組織を詳しく調べる病理専門医などにも言えます。しかし、最近は外科などに比べ、自分のペースで仕事がしやすい点などが評価され、人気が出始めています。専門医のセミナーはどれも盛況だそうです。ゲノムと関連づけた診断やビッグデータ解析、人工知能(AI)の活用など新しい展開も期待されています。

(2018年9月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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