アレルギー体質の予防

国立成育医療センターの研究チームは、妊娠中に予防接種を受けることで赤ちゃんがアレルギー体質にならないようにするしくみを、マウスの実験で発見しました。花粉症や食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などを防げる可能性があります。アレルギー体質になるかどうかは、生後3カ月までに免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる物質をたくさんつくる体質になるかどうかで決まります。IgEが花粉や食物、ダニなどと反応し、花粉症や食物アレルギー、喘息を発症します。
研究チームは、胎児や乳幼児期にのみ現れるmIgE陽性B細胞に注目しました。この細胞の表面にあるIgEに、花粉や食べ物などの原因物質(アレルゲン)が結びつくと、IgEを大量につくり始めます。一方、このIgEに特殊な薬を結合させると細胞を自殺させるスイッチが入り、生涯にわたってIgEが作られなくなります。妊娠中の母親マウスに薬を注射すると、胎児マウスの体内では、ほとんどIgEが増えないことを実験で確かめました。母体からへその緒を通じて赤ちゃんに送られ、mIgE陽性B細胞が死滅したと考えられています。

(2018年11月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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