インセンティブ報酬制度の導入

役員報酬は、大きく固定報酬と業績連動型報酬の2種類があり、両者を組み合わせる企業が多くなっています。業績連動型のうち、業績や株価など1年以内の成果に連動するものを短期インセンティブ、それ以上の期間で事業目標や中期経営戦略等の目標に連動するものを長期インセンティブと呼びます。
短期インセンティブは、現金が中心で、営業利益や自己資本利益率(ROE)などが指標になります。長期インセンティブは、譲渡制限付き株式報酬とストックオプションが主なものです。譲渡制限付き株式報酬は、2016年の税制改正で解禁されました。
デロイトトーマツグループの調査によれば、2021年度に短期・長期インセンティブを導入している日本企業は、7割を超しています。内部昇格の役員が多い日本企業では、従業員との平等性が重視されてきましたが、徐々に業績連動型の導入が増えてきています。背景には経営幹部を外部から招く動きが広がり、外国人なども登用しやすくすることが、成果型報酬導入の動機になっています。
日本企業の中央値は、固定が5割、長期インセンティブが2割、短期インセンティブが3割でした。米国は長短インセンティブが9割を占めています。企業価値向上のために、変動型報酬比率を高め経営者へのインセンティブを高めた方が良いとされています。

(2022年7月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。