インフルエンザの流行の兆し

季節性インフルエンザが3年ぶりに流行し、全国各地で学級閉鎖などが急増しています。新型コロナウイルス対策が徹底された2021〜2022年に流行せず、集団免疫が低下しているほか、行動制限の緩和で往来が活発になったことが要因として指摘されています。大学や高校が本格的な受験期を迎えるなか、拡大傾向は当面続くとみられ、手洗いなど基本的な感染対策が不可欠です。
厚生労働省によれば、自治体に患者報告が求められている全国約5千カ所の定点医療機関から5日までの1週間に報告があったインフル患者数は計6万2,583人で、1医療機関あたりでは12.66人です。報告者数が計41人だった2022年の同時期の約1,526倍で、1医療機関あたりの患者数も注意報の発令基準となる10を超えています。しかし、コロナ禍以前の2019年のピーク時は57.18人、コロナが日本国内で初めて確認された2020年も18.31人となっており、直近の2年間は極めて低水準だったと言えます。
子どもの間に感染が広がった結果、休校や学年閉鎖、学級閉鎖に至った学校も急増しています。2023年第2周に学級閉鎖などをした学校は120カ所でしたが、翌週には1,000カ所を突破し、第5週は2,184カ所まで広がっています。学級閉鎖は兵庫、大阪、神奈川、千葉など都市圏で目立っています。

 

(2023年2月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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