インフルエンザ治療薬

インフルエンザは、例年11月下旬頃から大きく増加し、2月頃にピークとなります。昨季は推計患者数が2,230万人を超え、1999年の統計開始以来最多となりました。国内で使用されるインフルエンザ治療薬は5種類あります。従来のインフルエンザ薬には、タミフルのような口から飲む錠剤のほか、イナビル、リレンザといった粉状の薬を吸引するタイプがあります。患者の多くは病院でこれらのタイプを処方されてきました。タミフルは1日2錠、5日間飲み続ける必要があります。イナビルは、1回だけで効果が出るタイプです。しかし、吸入容器を使い薬を吸入するため少しコツがいります。子どもや喘息などの呼吸器に病気を抱える患者らは、吸引が難しい場合もあります。

これに対してゾフルーザは、錠剤を1回飲むだけでウイルスの増殖を抑えます。インフルエンザウイルスは細胞の中で増え、細胞膜を破って外に広がります。従来の治療薬は、ウイルス細胞の中から出てくるのを抑えますが、ゾフルーザはウイルスが細胞の中で増殖できないようにして感染を防ぎます。ゾフルーザを飲むと、翌日には鼻水の中に含まれる感染性のウイルスが10万分の1に減っており、従来の治療薬よりも早く抑えることができるとされています。

(2018年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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