コロナ医療の正常化に向けて

厚生労働省は、5類移行後は原則全ての医療機関でコロナ患者を受け入れるよう求めることにしています。コロナ流行以前にインフルエンザなどを診ていた診療所や病院に、5類移行後は原則全ての医療機関でコロナ患者を診察してもらう体制を想定しています。医療機関への支援は当面継続します。
厚生労働省の試算では、コロナの重症化率は、2022年7~8月時点で60歳未満が0.01%、80歳以上で1.86%とインフル並みになっています。2021年7~10月時点の80歳以上の10.21%などから大幅に低下しています。ワクチンや飲み薬の普及もあり、一般の医療機関でも患者の受け入れは可能と思われます。診療報酬の加算や補助金といった支援を急にやめると、外来や入院などのコロナ診療を続けられない医療機関が出る恐れがあります。
患者が払う医療費の公費負担も徐々に縮小する方向です。現在は通常の3割の窓口負担を無料にしています。コロナ治療薬の中には数万円かかるものがあります。患者が受診や処方を受けるのをためらう事態を防ぐ必要があります。感染者や濃厚接触者の外出自粛は要請できなくなります。社会経済活動の促進につながる一方、感染拡大を招く可能性もあり、個人の感染対策はより一層重要になります。

 

(2023年1月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。