ホームヘルパーの高齢化

訪問介護は、終末期を住み慣れた自宅で過ごしたいと希望する高齢者らが利用するサービスです。2022年4月の利用者は106万8,100人で、施設サービス利用者の97万900人より多くなっています。介護労働安定センターの介護労働実態調査によれば、訪問介護員の平均年齢は54.4歳です。60歳以上が37.6%を占め、2011年度から約10ポイント上昇しています。70歳以上も12.2%に上っています。一方で30代は9.9%、30歳未満は3.8%にとどまっています。
厚生労働省によれば、訪問介護職の有効求人倍率は14.9倍です。高齢化に伴い、2040年度には約280万人の介護職員が必要とされ、約69万人分の人材不足が懸念されています。
ヘルパー不足の要因の一つが報酬の低さです。2021年の所定内給与は月24万9,900円で、10年前から4万6,600円増えましたが、全産業の平均給与より5万7,500円低くなっています。若手が増えず、定年退職したシニア世代などが支える状況が続いています。

(2023年1月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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