マンション建て替えの所有者負担増

老朽化するマンションの増加を受け、国は建て替え促進などのために要件緩和の法改正を検討しています。しかし、所有者の建て替え資金の負担額は、過去約20年で5倍以上に膨らんでいます。人口減のなか、建て替えだけではない老朽化対策が求められています。建て替えたマンションの区分所有者が負担した平均額を年代別に整理した調査によれば、1996年までに建て替えた場合は、1人あたり344万円でしたが、2017~2021年は1,941万円に跳ね上がっています。
2022年6月までに建て替えたマンションの63.1%が東京都に集中し、その大半を23区が占めています。都区部など立地が良いマンションは、拡大分に安定した需要があるうえ、既存の所有者も高所得で一定額の負担が可能な例が多くなっています。
マンションは私有財産ですが、老朽化して建て替えも修繕もされずにスラム化すると、防犯や防災の面で周辺地域にも影響を与えることになります。築40年以上のマンションは、今後10年ほどで約250万戸とほぼ倍増する見込みです。

(2023年2月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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