リスキリングの必要性

日本経済新聞社らのアンケート調査によれば、47%がリスキリングに取り組んでいると回答しています。従業員2万人以上の会社では、55%に達した一方、50人未満では39%です。年代別では20代・30代は57%、40代は50%、50代は43%で、若い層や大企業で働く人ほど前向きです。
学んでいる分野で最も多かったのは、英語など語学で38%です。プログラミングなどIT(情報技術)関係、マネジメント、会計簿記と続きます。リスキリング後の変化として、スキルアップしたが43%、仕事のモチベーションがアップしたが31%、仕事の幅が広がったが29%とあがっています。年収が上がったは6%、昇進・昇格した、転職したは、それぞれ5%でした。

ワークスヒューマンインテリジェンスの調査によれば、会社での研修や学びが仕事やキャリアに生かされていると感じている人は全体の39%です。会社の学び支援に満足していると回答した人は46%でした。自分の働いている会社に誇りを持っている人ほど、学びが仕事やキャリアに生かされていると実感し、満足しているようです。社員のキャリアアップを支援して企業の成長につなげることが、リスキリングの本来の目的です。
リスキリングを日本経済の成長につなげるには、企業の取り組みだけでなく、一人ひとりが自分のキャリアを真剣に考えることも大切です。野村総合研究所の調査によれば、5年後のキャリアイメージを明確に持っている人は英国で7割を超えていますが、日本では5割に満たない状況です。キャリアの決定権が会社側にあり、スキルアップへの意欲がわきにくい面はあります。ジョブ型雇用への移行が進む中、定期的に自分のキャリアを見つめ直すことで、リスキリングの方向性が見えてきます。

(2024年2月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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