一日の女性の仕事時間ランキング

2021年社会生活基本調査によれば、女性の1日の平均的な仕事の時間は183分(3.1時間)と前回調査の2016年より6分増えています。180分(3時間)を超えるのは1996年以来四半世紀ぶりです。都道府県別にみると、福井県が221分と最も長く、次いで東京都が長く218分でした。3位に富山県、6位に石川県と北陸3県が上位に目立っています。
北陸3県は三世代同居が多く、家事や育児の人出が潤沢なこともあり、夫婦の共働きが広がっています。働いたり求職したりする割合を表す女性の労働力率はいずれもトップ10に入っています。全国を見渡しても、女性の労働力率が高い都道府県ほど、女性の仕事時間は長い傾向にあります。
2016年と比較して女性の仕事時間が延びたのは、東京都や神奈川など大都市圏が多くなっています。大都市圏は核家族が多数派ですが、コロナ下でテレワークが広がり、仕事と家庭を両立しやすくなったことが関係しています。30歳前後の女性が、結婚や出産を機に離職する寿退社は目立たなくなり、パワーカップルと呼ばれる夫婦の共働きが急速に増えています。
雇用の非正規化は、近年、政府の女性活躍推進の施策もあって一段落し、改善に向かっています。コロナ下のテレワークの経験などから働き方の意識が変わり、仕事も家庭も諦めない女性が増えています。これからも女性の労働力率の上昇は続く可能性が高いと思われます。

(2023年1月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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