不妊治療の保険適用1年

昨年4月に公的医療保険の適用対象が広がり、まもなく1年になります。不妊に悩む人たちを支えるNPO法人であるFineの約2千人のアンケート調査によれば、保険適用で良くなったと感じることがある人は65%に達しています。助成金は振り込みまで時間がかかるが、保険適用ではじめから支払いが軽くなったという意見が多くみられます。一方、悪くなったも73%もあり、助成金をもらいつつ治療していた時のほうが実質安く済んでいた、保険適用の範囲がわかりづらいなどの意見もみられています。保険適用される治療内容には制限があり、自費診療を受けることになって負担が増えた人も多くみられます。
保険を使って治療をうける際は、原則一連の診療は全て保険が使える治療でなければなりません。一方で、保険が使えない治療を混ぜた場合(混合診療)は、本来なら保険が使えて自己負担が3割になる治療も、全額自費になってしまいます。例外で、保険が使えなくても先進医療と認められれば、保険が使える治療との組み合わせが可能です。受精卵の着床前遺伝学的検査(PGT-A)は、未だ先進医療として認められていません。
体外受精の場合、保険を使える回数に限りがあります。治療開始時点の女性が40歳未満なら、受精卵の移植は6回までです。40~43歳未満までは、3回までと認められています。43歳以上は被保険者にもかかわらず、保険適用が認められていません。

(2023年2月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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