予防接種の意義

予防接種は天然痘の撲滅をはじめ、様々な感染症の予防に大きな役割を果たし、公衆衛生上、多大な貢献を果たしてきました。予防接種で予防できる病気はVAD(Vaccine preventable diseases)と呼ばれており、これらの多くは死に至る病気や後遺症を残す病気です。
注意しなければならないことは、ワクチン接種が広まることにより、これらの病気の数が減少し、ワクチンの効果が見えにくくなることです。稀に起こるワクチン接種後の副反応や有害事象を理由にワクチン接種を行わないでいると、その病気が再び流行してしまいます。そのため、予防接種の有効性・重要性を常に意識する必要があります。
全ての医療行為においてリスクがゼロであるということはなく、ワクチン接種においても稀ではありますが、一定の頻度で副反応が起こりうることを認識することは重要です。予防接種による多大な利益と副反応のリスクを共有・認識したうえで、予防接種を行う必要があります。副反応は目に見えますが、効果は目に見えません。

(2023年5月1日 月刊母子保健)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。