保育の質の向上のために

保育士の配置基準は、子どもの安全などに最低限必要な人数を示すもので、国が定めています。1歳児では、子ども6人に対し、保育士1人(6対1)を置く必要があります。政府は今回のたたき台で、職員配置基準について、1歳児は6対1から5対1へ、4~5歳児は30対1から25対1へと改善するとともに、保育士の更なる処遇改善を検討するとしています。保育士をより手厚く配置して業務の負担を軽減し、保育サービスの質の向上に取り組みます。

 

こども家庭庁の全国調査によれば、昨年4~12月に自治体が確認した不適切な保育は914件、うち90件が虐待と判断されています。人手不足で現場に余裕がないことが一因とみられています。
保育政策見直しのカギを握るのは保育士不足の解消です。厚生労働省によれば、2022年の保育士の有効求人倍率は2.42倍で、全職種平均の1.16倍を上回っています。一方、保育士の平均月給は約26万7,000円で、全産業平均より7万円ほど低くなっています。子どもを預かる重い責任に見合わない賃金が、人材不足を招いています。待遇改善も含め、保育士の社会的な評価を高める施策が必要となります。

(2023年5月17日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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