介護施設での高齢者虐待の増加

厚生労働省によれば、2022年度の介護事業所の職員による虐待は856件と過去最多となっています。内訳は、殴るなどの身体的虐待が58%で、死者も8人出ています。入居者が話しかけているのに意図的に無視する、威嚇的な態度を取るといった心理的虐待が33%や、必要な介護を怠る介護等放棄が23%と続き、性的虐待や経済的虐待もあります。
虐待の要因として、教育・知識・介護技術等に関する問題が56%、職員のストレスや感情コントロールの問題が23%を占めています。認知症の人との接し方や、何が虐待に当たるかを知らないなどの知識の欠如は、研修を充実させることで補えます。感情のコントロールなどは、職員へのストレスマネジメント研修や職員の状態を把握する体制の整備が必要です。
国は、4月から虐待防止対策の実施を介護事業所に義務化し、虐待を起こさせない体制づくりを強化させます。適切に対策を取っていない事業所には、都道府県などがより強く指導できるようになります。対策しない事業所の介護報酬は1%減らすことになりました。

 

(2024年2月9日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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