保護司担い手の高齢化

罪を犯した人や非行少年の立ち直りを支える保護司の高齢化が深刻さを増しています。法務省によれば、2023年1月時点で全国に約4万7千人いる保護司の約8割が60歳以上で、70歳以上は4割近くに上っています。平均年齢は上昇が続いています。平均年齢は65歳を超え、企業の定年延長や再雇用増加が人材不足に拍車をかけています。支えてきた団塊の世代が、年齢制限で一斉に退任せざるを得ない状況も迫っています。
保護司は、保護司法などに基づく非常勤の国家公務員です。刑務所から仮釈放された人や保護観察中の少年らと定期的に面接し、住居の確保や就職に関する手助けなどを行います。交通費などの活動経費は支給されますが、原則として無給です。任期は2年、原則76歳未満との年齢制限があり、特例で78歳未満は再任できます。
上限年齢や任期制のあり方など、積極的な人材確保に向けて就任要件の緩和が必要になります。もう一つのポイントが業務負担の軽減です。デジタル化を進めて業務負担を軽減したり、仕事の意義を若い世代に積極的に広報したりするなどして、就任のハードルを下げていく必要があります。

 

(2023年6月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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