公立学校の教員なり手減少の解消のために

文部科学省の調査によれば、2021年度当初の公立小の欠員は、全国で1,218人にのぼっています。公立学校全体の教員採用の受験者数は減少傾向にあります。全国的な教員不足に対し、なり手を増やそうと自治体が工夫を凝らしています。他業種からの転職や奨学金の返済を支援し、採用試験に挑戦しやすい環境を整えようとしています。
新たな人材確保を目指し、都は教員免許を持ちながら他の職業に就いている潜在教員らを対象に、学び直しの講習を2023年度に始めます。大学で学ぶ基礎や生徒への対応の再講習、模擬授業などを検討しており、教壇に立つ不安を解消しようとしています。
岐阜県教育委員会は、2024年度の小中学校の新規採用教員向けに、日本学生支援機構の奨学金返還を支援する制度を始めています。県内の高校を卒業していることや、採用後7年以上は県内で教諭として勤務することなどが条件です。総額144万円を上限に、月額1万7,000円を7年間補助します。
教員のなり手不足は、教育の質の維持にも関わります。根本的に解決するためには、残業代を払う制度を導入し労務管理を徹底するなど、国の取り組みが求められます。

(2023年6月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。