単身高齢女性の貧困

国民生活基礎調査によれば、65歳以上の一人暮らしの女性の相対的貧困率が、44.1%にのぼっています。高齢期は働いて得る所得が減るか無くなることが多く、男女とも貧困リスクが高くなります。また単身世帯は、他に稼ぎ手や年金の受け手がいる夫婦世帯や3世代世帯などより貧困に陥りやすくなります。高齢、単身でも男性の貧困率は30.0%で、女性と14.1ポイントの開きがあります。
高齢女性の婚姻状況別の貧困率をみると、既婚の13.5%に対し、未婚は43.1%、離別は43.6%、死別は32.0%です。結婚という状態にないと、貧困リスクが高まります。死別には遺族年金による一定の下支えがあります。
相対的貧困は、いまの社会でほとんどの人が享受する暮らしを送れない状態を表します。OECDが採用する指標で、資産や現物給付は考慮されていません。日本の貧困率は15.4%、子どもは11.5%です。65歳以上の単身の女性は35.1%、男性は20.3%となっています。

(2024年3月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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