女性にとって家族介護が重荷になっている

東京大学の全国調査によれば、2021年の調査では、34~48歳の女性の約5.4%、49~54歳では約16%が家族の介護をしていました。男性と比べてそれぞれ1.6倍、3.3倍にのぼっています。
家族介護が就業に与える影響を分析すると、女性のみが影響を受けており、介護をすると、介護をしていない場合に比べて就業確率が平均で5%低くなり、月の労働時間も平均5時間短くなっています。就業調整するのは女性だという社会規範があり、同じ介護といっても女性の方が男性より長時間またはハードな介護をしている可能性があります。
家族介護は、女性においてのみメンタルヘルスを悪化させる傾向もあります。本人の希望にかかわらず、家族介護で就労を断念せざるを得ないケースがあり、公的な支援サービスの利用等で働き続けられることが望ましいと思われます。

(2022年4月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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