小中教育の質を守るため

文部科学省の公立学校教員の勤務実態調査によれば、平日の平均労働時間は、小学校が10時間45分、中学校が11時間1分です。これには持ち帰ってする仕事時間は含まれていません。1カ月あたりの残業時間が文部科学省の定める上限である45時間に達していたのは、小学校教員で64%、中学校教員で77%を占めています。長時間の残業が常態化しています。OECDの国際教員指導環境調査2018によれば、中学校教員の1週間の仕事時間は、OECD加盟国の平均が38.8時間だったのに対し、日本は56.0時間です。書類作成などの事務仕事は、参加国で最長の週5.6時間でした。
不登校や日本語の指導が必要な子どもは増えており、過剰な要求をする保護者への対応も課題となっています。精神疾患で休職する公立学校教員は増えており、2022年度は過去最多の6,539人に達しています。
文部科学省は中央教育審議会に特別部会を設け、公立校の教員に優秀な人材を確保しようと、給与増や働き方改革が議論されています。予算をかけて教員の数を増やし、授業時間を減らすといった抜本的な対策が必要となります。

(2024年3月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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