小学校の教科担任制の拡大

中央教育審議会は、小学校の5、6年で実施している教科担任制が3、4年にも広がる案を提出するとしています。ほぼ全教科を担当する教員の負担を減らし、授業の質向上を目指します。教科担任制は中学校や高校で実施しており、小学校では2022年度に5、6年で始まりました。従来は1人の教員が国語や算数などほぼ全ての教科を担当していましたが、教科専門の担当を置くことで、1人ずつの授業数を減らし、教材研究といった準備の負担を軽くする狙いがあります。
3、4年の教員は、低学年にはない社会や理科、外国語活動なども教える必要があり、専門性が求められます。国が定める授業数は、小学校高学年や中学校が1,015コマなのに対し、小4は1,015コマと同じで、小3も980コマとほぼ変わりません。子どもの学習の質向上と教員の働き方改革推進の両方に寄与すると思われます。
教科担任制の推進には、教員定数の改善が必要となります。人件費に充てる財源と人手の確保が壁となり、各自治体や学校で教科担任制が順調に広がるかは見通せません。クラス数が少ない小規模校では、よりハードルが高くなってしまいます。
中央教育審議会は、教員確保策についても提案しています。教員の待遇改善を図り、業務負担の重い学級担任の手当を加算したり管理職手当を改善したりする必要性も示しています。

 

(2024年4月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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