少子化社会における大学教育

昨年は約113万人いた18歳人口は、今年は111万人となり、2万人の減少です。今後も減少傾向は続き、10年後には102万人と団塊ジュニア世代の半分以下になってしまいます。団塊の世代では260万人~270万人生まれていたことを考えれば隔世の感があります。
昨年の出生数は80万人を切りました。この世代が大学に進学する頃は、大学進学率を60%としても大学進学者は48万人に満たない状況です。現状の63万人余りの大学入学者から15万人の減です。つまり、2千人規模の大学75校分の定員が空いてしまうことになります。既に私大の半数近くが定員割れを起こす事態で、大学入試は易しくならざるを得ない状況にあります。
若者が減り、子どもが生まれなければ地域を支える住民は減り、地方の大学は存続できなくなります。やがて自治体の存続の危機が訪れます。高校生から学びの場としてニーズはあっても、地方消滅に拍車をかけかねない状況です。都会では分からない少子化のリアルです。少子化は、地方にその影響を色濃く落としています。
脱・東京一極集中を図り、都市部の大学は定員を抑制されています。さらにコロナ禍で地方から都会の大学に進学する学生は減りましたが、大学を卒業した後の進路を考えるとまだまだアンバランスのままです。地方の大学の在り方、大学教育を問われる時代になってきています。

(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。