生命の萌芽とは

ヒトの胚は、母親の子宮で育てば胎児になります。どの段階まで体外で培養しても良いのかは長年議論され、受精後14日が国際的な上限となっています。これを超えると、それぞれの細胞が将来、神経になるか筋肉になるかなどの役割が決まり始めるとされるためです。日本でも、14日超の培養を国の指針で禁じています。
国際幹細胞学会は、2021年に指針を改定しています。14日を超えた培養の扱いを、それまでの禁止から特別な監視が必要なものへと分類しなおしています。受精後14日の基準は、約40年前に提唱されたものです。長期間の培養は、技術的にも難しかったのですが、技術の進歩でその可能性が出てきたことなどから、国際幹細胞学会の指針改定につながりました。
国際的に受け入れられてきた14日超の培養は禁止というルールについて、山梨大学の研究グループが日本で今後どう取り扱うべきかを聞いた意識調査しています。一般市民では、判断できないが42.9%で最も多く、容認すべきは37.9%、禁止すべきは19.2%でした。研究者では、容認すべきが46.2%、判断できないが29.3%、禁止すべきが24.5%でした。

(2023年4月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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