後期高齢者の増加率

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2050年にかけ、75歳以上の高齢者の増加率が最も高くなるのは、タワーマンションが林立する東京都中央区とのことです。一方、最も低くなるのは山間地の群馬県南牧村です。高齢化の姿が様変わりします。
75歳以上人口の増加率が2020年に比べて高い自治体は東京都中央区のほか、横浜市都筑区や千葉県印西市など都市圏で目立っています。逆に減少率が高いのは、群馬県南牧村や長野県天龍村、奈良県野迫川村といった限界集落を抱える地方の自治体です。高齢者の減少する自治体では、介護や医療へのニーズにも変化が見込まれます。
都市部では2040年以降に後期高齢者が急増し、施設や人手の不足が顕著になります。地価や賃金水準が高く、民間事業者の進出がさほど期待できないため、用地確保や施設の建設、介護職員の給与水準引き上げなど、独自の対策が自治体に求められます。一方、地方の山間部や離島などでは、高齢者の減少と支え手不足が顕著になり、介護事業が成立しなくなります。人員基準などを満たさなくても特区的に事業運営を認めたり、訪問や通所サービスの移動費用を公費で支援したりするなど、柔軟な制度の運用が必要となります。

(2024年4月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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