教育虐待

東京都目黒区で、父親のしつけや教育の名を借りた虐待で女児が死亡する痛ましい事件が起こりました。近年、教育虐待という新しい概念が提唱されています。教育虐待とは、教育を理由に子どもに無理難題を押し付ける心理的虐待をいい、エスカレートすれば暴力も伴います。しつけのためというのは、強い立場の人が自己を正当化する言葉です。周囲の人もしつけや教育と言われれば、虐待と気づきづらいと思われます。青山学院大学の古荘純一教授は、教育虐待につながる考え方を示しています。
この教育虐待は、決して特別な家庭に限ったものではありません。子どもの成績や進路をステータスと考え、成績不振に陥れば、生きていく価値がない、人間のクズなど暴言を浴びせ、子どもを心理的に追い込んでいきます。最初は子どものためと思っていたとしても、一方的な親の思いの押し付けは虐待だと大人は認識すべきです。

(2018年6月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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