日本の空き家の増加

野村総合研究所の推計によれば、今後、空き家の取り壊しが進まない場合、全国の空き家は2038年に2,303万戸になるとされています。総家屋の31.5%に達し、国内の家の約3軒に1軒が空き家になる計算です。解体と利活用の両面からの対策強化が必須です。
政府は、2015年に空き家対策特別措置法を施行し、自治体が問題のある空き家の持ち主に修繕や撤去を指導、勧告できるようにしています。命令に従わなければ、自治体は持ち主に代わって解体や撤去をする行政代執行ができます。
空き家の買い手として外国人の存在感がじわりと高まっています。人気を集めるのが畳や床の間を備えた古民家です。外国人の購入者が増えたからといった問題が全て解決するわけではありませんが、人が住まない住宅が過度に増えると周辺の環境が悪くなり、地域の活力低下につながります。多文化共生社会を実現するためにも、伝統や暮らしの習慣、価値観の違いを認めつつ、暮らしやすい環境を整えていくことが必要になります。

(2023年5月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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