日本の設備投資の見劣り

日本は、経済の地力を示す潜在成長率の低迷が続いています。日本の潜在成長率が低水準にとどまる背景には、バブル期以降の企業の投資抑制があります。一人あたりの設備の多さを示す資本装備率は、主要7カ国で最下位です。
内閣府の日本経済2022-2023(ミニ白書)によれば、潜在成長率を引き上げるカギは、成長分野への投資としています。具体的に挙げているのは、半導体と電気自動車(EV)です。日本の半導体産業について、研究開発投資の規模が小さい主要メーカーの設備投資額の売上高に対する比率は僅か6%です。世界の主要企業平均の17%の3分の1程度にとどまっています。
もう一つの有望分野のEVも、設備投資や研究開発投資の拡充が不可欠と考えられます。2021年のメーカー別のシェアをみると、日本勢は2.9%に過ぎません。中国の46%や米国の26%に比べ見劣りします。世界の自動車販売に占めるEVの割合は、2021年に9%ですが、2030年には22%に拡大する見込みです。日本が強かったハイブリッド車も置き換えられていくと思われます。

(2023年2月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。