更年期障害による経済損失

日本人の平均閉経年齢は50.5歳で、その前後5年間は卵巣機能が低下し、エストロゲンなど女性ホルモンの分泌が急激に減少します。からだがカッと熱くなるホットフラッシュや、発汗、めまい、気分の落ち込み、不眠といった症状が出ます。厚生労働省の調査によれば、更年期症状があり、病院を受診する目安を超えた人は、40代で17.7%、50代で20.0%にのぼっています。
経済産業省が2月に公表した試算によれば、女性の更年期症状による経済損失は、離職(1兆円)やパフォーマンス低下(5,600億円)など、年間で計1.9兆円にのぼっています。更年期症状が強いほど、体調不良のまま働くプレゼンティーズムが強く、特に精神症状が大きな影響を与えています。更年期の人への就労支援は少しずつ広がっていますが、相談を受ける体制の整備などさらなる取り組みが必要となります。
2024年度から、国立成育医療研究センターを再編・拡充し、女性の健康に関するナショナルセンターの機能を持たせます。更年期や月経前症候群など女性の健康に特化した研究や治療法開発を本格化させ、最新の情報収集や発信も強化します。

(2024年3月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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