浮体式原発の開発プロジェクト

海に浮かぶ浮体式原子力発電所の開発プロジェクトに日本企業が参画します。今治造船や尾道造船など13社が、英新興企業に約8,000万ドル(約100億円)を出資しました。浮体式原発は、地震の影響を受けにくく、陸上の原発に比べ建設費用も下げることができます。浮体式の原子力発電所は、2030年代前半の商用化が計画されています。
世界各地で開発が進んでいます。英コアパワーなどが取り組むプロジェクトには、米エネルギー省が2022年夏に約130億円の研究資金を提供しています。ロシア国営のロスアトムは、2020年に商業運転を始めています。日本国内では、産学有志による研究会の産業競争力懇談会が検討しています。水素やアンモニアの生産設備を近くに設置することで、発電した電力は脱炭素技術向けに使うこともできます。
固体燃料を使う従来型の原発で必要な加圧設備が不要となるため、小型化ができます。炉心融解や爆発といった事故を起こすリスクも少ないとされています。地震や津波のリスクを軽減できる点では、浮体式原発は日本では陸上原発よりも優位な可能性があります。

 

(2023年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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