生涯無子率の増加

人口学では、女性が50歳時点で子供のいないケースを生涯無子(チャイルドレス)と言います。OECDのデータベースで最新となる1970年に生まれた女性の50歳時点の無子率を比べると、日本の27%は比較可能な17カ国で最も高くなっています。男性は一般的に生殖可能期間が長く、生涯無子の判定が難しいためデータはありません。しかし男性の方が未婚率は高い傾向にあるのを考え合わせると、女性より高いとみられます。
無子の理由は様々であるため、身体上の理由から望んでも叶わない人が一定数おり、チャイルドフリーと表現されます。子どものいない人生を積極的に選ぶ人もいます。欧米では、近年無子率上昇の勢いが鈍り、家庭と仕事の両立支援の拡充などが背景にあるとされています。それぞれの選択が尊重される環境づくりが必要です。

(2023年3月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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