甲状腺機能低下症

認知症と診断され、抗認知症薬を処方された患者において、治る認知症があります。いわゆる治る認知症かどうかの鑑別が不十分なまま、抗認知症薬が安易に処方されている場合が多くみられます。甲状腺の機能低下もその一つです。血液検査で判別でき、ホルモン薬で治療できます。日本神経学会は指針で、治療可能な認知症を見逃さないよう、診断に際して検査を推奨しています。
認知機能の低下が甲状腺機能の問題であれば、抗認知症薬なしで改善が望めます。認知症とされた人の2.6%が甲状腺の機能が低下していたという海外の報告があります。甲状腺の機能が落ちると、疲労感や筋力の低下を招くこともあります。検査をしなければ対処する機会も失われてしまいます。

(2018年8月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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