社外取締役の増加

現在、東証プライム上場約1,800社の92%が、全取締役の3分の1以上の社外取締役を置いています。過半数の企業も1割以上あります。非常勤なのに、年間報酬約660万円とされるポストには、希望者が殺到しています。社外取締役の在任期間は6~8年が多いとされ、入れ替えが必要なので、当面は需要の高止まりが続きます。
社外取締役の配置を上場企業に求める金融庁と、東証のコーポレートガバナンス・コードが2015年に導入されると、起用が進みました。弁護士や会計士、経営者出身のほか、官僚の登用も目立っています。米国では第三者機関を使って、社外取締役を客観的に評価しています。数合わせではなく、中身が問われる時代が日本にも来ると思われます。
この数年、気候変動への危機感の高まりや格差の拡大などで、米国型資本主義の限界が強く意識されています。株主だけでなく、社会を幅広くステークホルダー(利害関係者)としてとらえる考え方が広がってきています。環境や人権、公正取引など社外取締役がチェックを求められる要素も複雑になってきています。

(2023年1月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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