私立大学の定員割れ

急速に進む少子化を背景に、私立女子大学の7割が、昨年度定員割れになっています。読売新聞の調査によれば、入学者数が定員を下回った女子大は49校で、69%に達しています。定員に対する入学者の割合である定員充足率は、50%未満が3校、50%以上80%未満が28校、80%以上100%未満が18校でした。私立大全体では、47.5%にあたる284校が定員割れしていますが、女子大は全体よりも21.5ポイント高くなっています。女子大に限らず、私大の経営環境は厳しさを増しています。18歳人口は、1992年の205万人を境に減少に転じ、2022年は4割減の112万人となっています。

1948年に津田塾、東京女子、日本女子、聖心女子、神戸女学院の5校が新制大学として認可されました。団塊世代が大学入学期を迎えた1960年代には、女子中学・高校を持つ学校法人による女子大新設が各地で相次ぎました。当時の女子大には、教養や家庭で役立つ知識が期待され、学部の大半は人文系や家政系で占められていました。女子のキャリア志向が強まり、女子の4年制大学進学率も5割を超すようになってきています。近年、少子化は一層深刻化しており、生き残りには女子の多様なニーズに応えられる学部構成やカリキュラムに変えていくことが必要です。

(2023年6月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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