自転車事故の死亡者の傷害部位

4月1日から自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務となりました。警察庁によると、2022年に全国で起きた自転車乗用中の事故による死者や負傷者のうち、ヘルメットをかぶっていたのは9.9%にとどまっています。自転車乗用中の事故による死者数は、2022年で339人でしたた。以前と比べると減少傾向にはありますが、ヘルメットの着用率が高まれば、さらに亡くなる人を減らせる可能性があります。
2022年の死者のうち、52%に当たる179人は頭部への損傷が致命傷となっていました。ヘルメットをかぶらずに事故に遭って死亡した確率は、着用していたケースの2.6倍と高くなっています。自転車乗用中の事故での死者の6割以上を、65歳以上の高齢者が占めています。一方で高齢者の死傷者でヘルメットを着用していたのは4%以下です。
公共交通網が発達した日本では、自転車は近場に行く手軽な乗り物です。ヘルメットは持ち運びの手間もあり、着用への心理的なハードルは高くなっています。職場や学校にヘルメットの置き場を確保するなどの対策のほか、啓発活動にも工夫が必要です。

(2023年3月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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