訪日外国人のコト消費の増加

コロナ禍の行動制限が緩和され、訪日外国人数は増加傾向にあります。日本政府観光局によれば、2023年は2,506万6,100人とコロナ禍が本格化する直前の2019年の8割近い水準まで回復しています。2023年12月単月では、273万4,000人と2019年同月を8%上回っています。
コロナ禍前と比較し、外国人客の消費行動に変化が起きています。観光庁が1月に公表した訪日外国人消費動向調査によれば、2023年の娯楽等サービス費は2,678億円と、2019年比で40%増えた一方、買物代は1兆3,954億円と16%減っています。中国の景気減速が響き、コロナ禍前のモノ消費をけん引した中国人客が戻りきっていません。加えて世界的に物価高が広がる中で、多様な体験を楽しむコト消費へのシフトが本格化しつつあります。
政府は2023年3月に、観光立国推進基本計画を改定しています。過去最多だった2019年の訪日外国人数3,188万人を、2025年までに更新する目標を掲げ、旅行消費額も2019年の4兆8,000億円を超える5兆円を目指しています。観光業界や宿泊業界は需要が回復する半面、従業員などの人手不足が対応の足枷になっています。観光立国に向けて現場の生産性向上につながる革新的な技術やサービスが大切となります。

 

(2024年2月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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