遺伝性アルツハイマーの国際共同臨床治験

新潟大と東大の研究チームが、若年発症が多い遺伝性の認知症である家族性アルツハイマー病の家系の人を対象に、病気の原因と考えられる脳内の異常なたんぱく質を取り除く薬剤を投与する治験を年内にも開始します。16の国・地域で行う国際共同臨床試験に参加する形で準備を進めています。全世界で約170人、国内からは10~20人の参加を見込んでいます。
家族性アルツハイマー病とは、アルツハイマー病のうち、遺伝子変異によって起こる病気です。原因となる遺伝子変異は3種類判明しており、親から2分の1の確率で受け継ぎます。家族性アルツハイマー病は、40、50歳代の若年で発症する例が多く、Aβの蓄積は20、30歳代から始まります。
アルツハイマー病は、脳内にアミロイド β(Aβ)やタウと呼ばれるたんぱく質が徐々に蓄積して、神経細胞が傷ついて脳が 萎縮し、記憶力や判断力が低下します。Aβの蓄積は発症の10~20年前から、タウの蓄積はAβに続いて始まるとされています。

(2023年3月26日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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