高度外国人材の在留

政府は、日本で働く高度外国人材を増やすために、年収2,000万円以上の技術者らが滞在1年で永住権を申請できる制度を新設します。世界の上位大学の卒業者に、就職活動で最長2年の滞在を認めます。高度外国人材とは、専門的な知識や技能を持ち日本の企業や研究機関などで働く外国人のことです。2022年6月末時点で、在留外国人全体の0.6%にあたる1万7,199人です。

高度専門職の資格を得れば、通常は10年の日本滞在が必要な永住権の申請が3年で済みます。配偶者の就労を認め、親や家事使用人の帯同も可能です。学歴や職歴、日本語の能力などで点数を割り当て、合計が70点に達すると資格を取得できます。80点になると永住権に必要な滞在期間を1年に短縮できます。

国籍別では、2021年末時点で中国が66%を占め、2位のインドの6%、3位の韓国の4%を引き離しています。政府は、円安を背景に海外から半導体や蓄電池の工場誘致を目指しています。有力な外国企業の進出をきっかけに、高度外国人材の入国が増える可能性があります。
日本の国際人材獲得は、諸外国に比べ見劣りしています。OECDが2019年に公表した国際人材誘致ランキングによれば、日本は35カ国中25位でした。起業しやすさなどの機会の質のほか、配偶者の就労や子どもの教育といった家族の環境で、評価が低くなっています。転職が一般的ではなく、職種別の賃金相場も明確ではないため、専門職の処遇は見劣りし、市場の実態と合っておらず、グローバルで優秀な人材を獲得するのは難しくなっています。

(2023年2月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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