高度専門人材の平均年収

各国は優秀な人材を確保するため、賃上げ競争に走っています。人事コンサル大手の米マーサーによれば、2022年の高度専門人材の平均年収を主要国で比べたところ、米国は2019年比で約16%増の19万7,281ドル(約2,680万円)で、中国は14%増の11万5,615ドルです。日本は円安の影響もあり、6%減の8万7,595ドルでした。
海外企業からすれば、日本の優秀な人材を安価に採用できることを意味します。賃金の国際競争力の低下は、外国人材を確保できなくなるだけでなく、国内の人材すら取りこぼしかねない事態を引き起こします。
日本だけでなく、世界も人手不足に陥っています。米マンパワーグループの人材不足に関する調査によれば、世界平均の人手不足感は77%にも達しています。2006年に比べると、37ポイント増え過去最高となっています。日本は同期間に20ポイント増の78%ですが、中国は57ポイント増の81%に達しています。給与水準を上げ、働き手を獲得する国際競争力をいかに高めるかが、日本企業に突きつけられる課題です。

(2023年5月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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