iPS細胞によるパーキンソン病の治療

京都大学は、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を、神経難病のパーキンソン病を患う50代の男性患者の脳に世界で初めて移植したと発表しました。医師主導の臨床試験として8月から準備を進め、手術は10月に実施ました。京都大学病院によると、患者の頭の左前部分に直径1.2㎝の穴を開け、左脳のあらかじめ決められた場所に注射器で移植しました。移植細胞は、京都大学が作製・備蓄している他人由来のiPS細胞から作った約240万個の神経前駆細胞です。
移植した細胞が神経細胞となってドーパミンを出し、パーキンソン病の症状を和らげるかを、PET装置などで確認することにしています。神経前駆細胞に変わっていない細胞が移植されると腫瘍になる恐れがあるため、半年間は安全性を慎重に確かめ、問題がなければ右脳にも移植します。1人目の後、患者6人の治験も開始し、左右の脳に同時に移植します。効果の確認まで移植後約2年かかり、2022年度までに全員の治験を終える計画です。

(2018年11月10日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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